CDの登場以降、デジタル全盛のオーディオ機器ですが、エッジの効いたサウンドが重宝される一方で、アナログ・レコードの持つデータの豊富さ、音の温かみ/繊細さも再評価されてきました。MR-2000Sはデジタル機器でありながら、DSDによる再現性の高さがアナログ・レコードの温もりを忠実に記録するということで、メンテナンスの難しいアナログ・レコードのデジタル(アーカイブ)化のための機材として、高い評価を得ています。
MRシリーズで録音すると、オーディオ・ファイルとプロジェクト・ファイル(プロテクトやマーク情報など)の2種類のファイルが作成されます。これらをまとめたものを“プロジェクト”と呼び、MRシリーズ上で操作するときには1つのオーディオ・ファイルのように操作することができます。MR-2000Sでは日付情報を付加することができ、録音をした日単位で自動的に日付フォルダが作られ、その中に録音するたびにプロジェクトとして収録。本体内には各フォーマットごとに、日付フォルダは400まで、各日付フォルダの下に400のプロジェクトが作成できます。プロジェクト単位でのリネーム、デリート、プロテクトなどのファイル管理も簡単。また、1プロジェクト内に100のマーク・ポイントを登録することができます。
MR-2000Sはハードウェアの設計にも徹底的にこだわり、部品には高品質のCirrus Logic社製のCS4398をDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)を、ADC(アナログ・デジタル・コンバーター)にはTexas Instruments社製 Burr-Brown PCM4202を使用し、オーディオ信号の劣化を極限まで押さえます。
アナログ端子は、XLRバランス入出力端子、RCAアンバランス入出力端子を搭載。XLRは-12/-14/-16/-18/-20dBでのリファレンス・レベル切り替えが可能で、音楽関係の録音スタジオから放送局まで、どのような録音環境でも使用できます。デジタル端子はPCMソース用としてS/P DIFコアキシャル端子、さらに、ワード・クロック端子を搭載。ワード・クロック端子により、別のMR-2000Sや他のワード・クロック端子を持つ機器とのクロック同期が可能。
マスターに設定された1台から再生、録音などのレコーダー動作を制御できるMR Control Link機能を搭載しました。複数台のMR-2000Sの同期クロックとトランスポートがS/P DIFケーブルによって結ばれます。これにより、1-Bitによる7.1チャンネル・サラウンド録音や、マルチチャンネル・ライブ録音がより身近なものとなりました。また、ステム・ミックスなどのマルチトラック単位での1-Bitアーカイブ作業にも重宝する機能です。
MRシリーズで録音したデータを扱う際に欠かせない、ファイル・フォーマット変換ソフトウェアAudioGate。MR-2000SはこのAudioGateを付属しており、録音からマスタリングまでトータルにサポートする新しいソリューション“MRスタイル”を実現しています。現在(※)、AudioGateがサポートするファイル・フォーマットは実に13種類、サンプリング周波数と量子化ビット数の組み合わせは20通りに至っています。MR-2000Sで録音した1-Bit DSDや24bit/192kHz PCMなどのハイレゾリューション・マスター音源から、ネットワーク配信用の圧縮ファイルを作成することなど、高音質音源をニーズに応じて手軽に利用することも可能です。