佐野電磁こと佐野信義(AQインタラクティブ)といえば、『リッジレーサー』シリーズ、『鉄拳』シリーズなどのコンポーザーとしてゲーム業界で錚々たるキャリアを築きながら今やニンテンドーDS用シンセサイザー「KORG DS-10」開発プロデューサーとして話題の人物。周知のとおり、DS-10は佐野氏のコルグMS-10への思いから作られている。シンセに対する愛情あふれる語り口はシンセ・メーカーがお手本にしたいほどシンセサイザーの楽しさをダイレクトに伝えてくれている。そしてついに、コルグ・ホームページにも登場、佐野氏がサンプリング・キーボードmicroSAMPLERとコルグを語ります!
microSAMPLER、いかがですか?
いやもうはじめてウェブで知った時は、もういかにもここ最近のコルグさんっぽい感じで、しかもちょっと軸をずらした感じと言うか、そう来たか的な立ち位置に震えました。 で、あれですよね?これまたあの異色天才電子楽器企画者、坂巻氏担当なんですよね? いやもうコルグさんの中にサカマキ・ブランドというかレーベルでも確立していただきたいぐらいですよ一ファンとしては。 で、有名ブロガーのジェット☆ダイスケさん曰く「松本零士的」、つまりは銀河鉄道999の機関室内的な風貌にウケました。 しかも「iPod入れ」って!!! 実際に触ってみて真っ先に感じたのは、ディスプレイ無しでのサンプリング・ワークの快感。 まさにRPGを手描きでマッピングして解くような、視覚を脳が勝手に全力で補正していく心地よさ。 そして、(PCのディスプレイを)目で見て音を作るこの時代に、音はまず耳で判断するものだという当たり前のことを思い出させます。 そうそう、PCでの楽曲制作って、どこかちゃんとしてなきゃいけない感じがしません? で、結果出来る音楽が、おりこう、というか、こじんまり、というか、見栄えは良いけど面白みにかけるという・・・・ 相反して、microSAMPLERは、ざっくりとサンプリングして、その荒削りな風合いをそのまま完パケまでいっちゃえいっちゃえいいじゃんこれでいい感じだから!という気持ちになれる楽器なんですよね。 なんていうか、ほら、たまにUKのチャートに顔を出すクラブ系の凄まじく変わった曲、みたいな、絶対頭で考えて作ってない曲、ある意味「天才的」な曲、そんな曲を作ることが出来そうな佇まいがあります。 いやーしかしほんっとにサンプリングって楽しいですよね。 忘れてません? 僕はmicroSAMPLER触るまで、長いこと忘れてました。
ところで最近の音楽活動は?
DG-10最新作 第3弾CD ミニ・シングル 『GreenSynthesizer!』新規カバー曲「技ありっ!(VCF-VCA ver.)」に加え「ハイスクールララバイ(VCO ver.)」や「ゴーストバスターズ(佐野電磁remix)」、「VCO-VCF-VCA(koishistyle remix)」などを収録。第1弾CDの『I LOVE SYNTHESIZER!』(なんというすばらしいタイトル!)に入っているオフコースのカバー曲「I LOVEYOU」は佐野さん曰く「地味に自信作」とのこと。佐野ファン、DS-10ファン必聴のシリーズ。

KORG DS-10PLUS関連一色ですねーひとつはトリオ・ザ・DS-10というユニット。同じくDS-10のプロデューサーの岡宮氏、またDS-10の開発を手がけたプロキオンスタジオの光田氏の3人で、DS-10のみで演奏します。目的は「DS-10がいかに楽しいか実際に演奏して伝える」、です。国内ではSTUDIO COAST、リキッドルーム等々、そして国外は昨年11月にコペンハーゲンに招聘されライブを行ってきました。 もうひとつは、今井麻美さん、長谷川明子さん、又吉愛さんという有名な女性声優さん3名のユニット、「DG-10」のプロデュースです。これも全てDS-10のみで楽曲を作っています。「ハイスクールララバイ」「風の谷のナウシカ」「ゴーストバスターズ」に始まり、松田聖子さん、オフコース、うしろ髪ひかれ隊など、アラフォーである佐野の世代「のみ」を色濃く反映したアレンジ楽曲群に、ひたすらシンセサイザーの機能説明を歌うオリジナル楽曲などなどで、既にミニ・アルバムを含め4枚のCDをリリースしております。よろしければぜひ!
コルグってどんな会社ですか?
いやもう親同然と言うか、いやちがうな、人生そのものというか、だってあれですよ、はじめて買ったシンセサイザーが中2の時のMS-10、本当に寝食を忘れてというか、そのまま一緒に寝てました。あ、その頃、POLY-61を持ってる先輩から「あの数字の部分は印刷なんだよ」と聞いて気を失いそうになったりしてました。 ゲーム・サウンド制作を仕事にしてから実際にお世話になったものは、MONO/POLY、M1、WAVESTATION、01/W、TRINITY、TRITON・・・ あ!あとDW-8000!特にDW音源とアルペジエータが最高! そうそう!デジタル・ボコーダーDVP-1の、内蔵音源の音が味があって大好きだったんですよ! それと思い出した!DDM-110と220(1984年発売のリズム/パーカッション・マシン)の・・・ ・・・あ、すみません、全く話が終わる気配がなくなります。 そんな佐野が最初のMS-10から25年を経てKORG DS-10を手がけることになるなんて・・・コルグっ子としては感無量です。
コルグにどんなことを期待していらっしゃいますか?
もちろんファンとしては今のところ続いているユニークな製品の系譜は期待していますし、全力でフォローします。 が、これとは別に、シンプルに音作りのみを追求した、プロ・ユースの圧倒的なシンセサイザーをハードウェアで作ってください!! 価格が圧倒的でも、頑張って買います!!